伊藤 雅俊(いとう・まさとし)さん
味の素元社長
1947年生まれ。東京都出身。71年慶応義塾大学経済学部卒業、味の素入社。味の素冷凍食品社長、味の素常務執行役員、専務執行役員、食品カンパニープレジデントなどを経て、2009年6月から味の素社長兼最高経営責任者。
味の素は昨年、創業百年を迎えた。
「食品」「アミノ酸」「医・健康」の3分野を連携させ、全世界で事業展開する成長戦略を描く。
次の百年に向けて、グループの原点である「うま味」の発見に始まる創業の精神から独自の事業スタイルを探る。
伊藤さんは、「うま味を利用しただしが、日本食の基本。日本食の良さを世界に広めるのが我々の仕事」と語る。
調味料分野で世界一
味の素は昨年、創業百年を迎えました。当社が百年間、仕事をさせていただくことができたのはなぜかと考えた時、「なぜ、おいしいか」を探究するとともに、「国民の栄養不良を改善し、健康に貢献したい」という創業の志があったからだと思います。
1908年、池田菊苗博士が「うま味」という新しい価値を発見したのが当社の始まりです。
湯豆腐の昆布だしに着目し、4つの基本の味である「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」と違う、もう一つの味があると研究を始めました。
グルタミン酸というアミノ酸の一種を発見し、「うま味」と名付けたのです。
アミノ酸からスタートして現在、食、健康・医薬の分野が重なり合って事業展開する、世界でも意味のあるユニークな会社に成長したと考えています。
今後も調味料の分野で世界一であるとともに、アミノ酸の分野で世界一の技術を持ち、世界の最先端を走り続けます。
食品会社だからできる医薬事業と、健康に貢献できる仕事をしていきます。
健康に対する市場の要望と環境を意識するとともに、食の安全に配慮した商品を供給します。
時代の要望にあった商品づくりをすることで付加価値を生み出します。
味の素グループはこれからの百年、人類の基本課題である健康、食資源の確保、地球の環境保全への対応に挑戦します。
「おいしさの本質を究めて健康な生活をつくり出す」ことで全世界に貢献していきたいと考えています。
低カロリーでも美味
近年、先進国では過剰な栄養摂取が問題になっています。対応として塩分やカロリーを減らすと味が物足りなくなりますが、だしを使うことで、カロリーや塩分が少なくてもおいしく料理することができます。
一方、開発途上国では、栄養不足が問題になっている国が少なくありません。
より多くの人々に、料理でうま味を上手に利用してもらい、おいしく食べてもらいたいと考えています。
うま味調味料を買いやすい価格で買って頂けるよう、小容量のグラム単位の商品を開発し、2009年度では世界100か国で約100億袋の販売を見込んでいます。
海外は、現在の130か国から150か国に進出地域を拡大し、売上高の海外比率を30%から40%へと拡大を図ります。
うま味を利用した「だし」が、日本食の基本です。「うま味」を世界に広め、世界中の人々の健康につなげるのが我々の仕事であると思っています。それが、「うま味」を世界で初めて発見した会社の使命であると考えています。
<メモ>味の素
1909年創業。資本金798億6300万円。従業員数は単体3733人、連結2万6869人(2009年3月末現在)。売上高1兆1904億円(連結、同年3月期)。
今年を新たな成長に向けた『構造改革』のスタートの年と位置づけ、4月から新しいコーポレートスローガン「おいしさ、そして、いのちへ。」を掲げる。
(2010年3月8日 読売新聞)
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■味の素の総帥として・・
創業100年を迎えて、味の素としては原点にかえった仕事をしようということだと思います。
それで、「うま味を利用しただしが、日本食の基本。日本食の良さを世界に広めるのが我々の仕事」というコンセプトから、時代の要求に応え続ける企業価値を追求しようとしています。
そういう観点を持ったトップリーダーである伊藤社長を見てみることは、リーダーのあり方を知る上でも必要ではないでしょうか?
★健康、食資源の確保が企業の命題
単なる食品企業にとどまらないで、国家的な戦略の中に味の素という企業を位置づけようとする野心的な意気込みが感じられます。
地球の環境保全への対応と「おいしさの本質を究めて健康な生活をつくり出す」ことで全世界に貢献していくというのは、企業がますますグローバル化する方向であるということになると思います。
そのような企業戦略は、国際情勢や経済状況がそうさせるという側面もありますが、トップに立つ人の持っている思想や方向性力量にも左右されるところが大きいと思います。そこで、伊藤雅俊社長の運命式を見てみましょう!
★伊藤雅俊社長の運命式をみてみよう!
タイプ28-46:戦略的思考を中心として、まじめに着実に対応するタイプ
<伊藤雅俊社長の運命式>
33 24 37
15 46 31
28 22 40
<伊藤雅俊社長の流運>
8 11 12 16 17 11 12 16
11 6 16 10 11 15 16 10
伊藤社長は創業100年を迎えた企業の原点を見つめて、「うま味を利用しただしが、日本食の基本。日本食の良さを世界に広めるのが我々の仕事」と位置づけて、総合的な世界戦略を打ち出しています。
このような観点はどういうところから出発するのでしょうか?
伊藤社長の経歴は華々しいのですが、その運命式から伊藤社長を見てみましょう!
伊藤社長の運命式は、タイプは戦略的思考、生真面目と楽天家の両方の顔の持ち主で仕事数は成果主義になります。しかし、人気数の人に対してはいい格好をしたい親分肌といえます。
流運を見れば、伊藤社長の運勢の流れはとてもいい流れになっています。
このことは、伊藤社長に迷いはなかったと考えていいと思います。
もちろん人間ですから様々な局面に出会うでしょうが少なくとも、自分の持っている世界を信じて進めることのできる強い運勢があるということです。
リーダーとしての資質は、単に人を指導する命令的な資質があるというだけではリーダーにはなれません。
ちゃんとした成果を出せること。それから、人が考えない先まで予想したり、可能性を考えたりと意外性をしっかりと持っていることなどがあります。
それに、暗い人はダメです。明るくなければなりません。
そういうことからいうと、伊藤社長はそういう先見性というか長いスパンでものごとをみることができる人で、明るい人であるともいえます。
味の素が今後の100年の計を考えるには、いい人を選んだと思います。
●・・・ひとこと・・・
リーダーである前に人であることとよくいわれます。でも人であることを突き詰めれば、それは自ずとリーダーになれるというものではないでしょうか?
最初から位置があってリーダーとして保証されていいるというのであれば、真のリーダーにはなれません。
というよりはそういう人は危機に弱くて、結局は組織を導いていくことはできません。リーダーは最高と最低を知っていて、引力の母体であるということが必要なのでしょう!
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