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●平和でこそ成り立つ商業の創業・三井高利

三井高利

◆家系
豪商三井の歴史は六角氏の旧臣と言われている三井高安の長男・高俊が元和のはじめころ武士をすて伊勢国松坂で質屋と造り酒屋を開業したところから始まる。
なお三井家の姓は藤原を称する。


◆生涯
高利は伊勢国松坂(現 三重県松阪市)で高俊の四男として生まれた。
江戸で釘抜三井家を創業した長兄の三井高次(三郎左衛門)に丁稚奉公し、番頭となる。
のちその商才を恐れた兄達に放逐され、松坂で金融業を営む。

1673年、江戸本町一丁目に呉服店を開業し、屋号を越後屋(のちの三越)とする。
現金掛値無し、反物の切り売りなどの新商法導入して繁盛する。
当時、代金は後日の掛け(ツケ)払い、売買単位は1反単位が当たり前であった呉服業界においては斬新であり、顧客に現金支払いを要求する一方で良質な商品を必要な分だけ安価で販売した(ツケの踏み倒しの危険性がないためにそのリスク分を価格に上乗せする必要性がなかった)ために、顧客にとっても便利な仕組みであったのである。

高利は後に京都に移り住んで仲買の仕事を専門に扱い、江戸の店を長男高平らに任せるようになった。

だが、この繁栄ぶりに嫉妬した同業者からは迫害され、組合からの追放や引き抜き、不買運動などを行われる。
だが、側用人牧野成貞の推薦によって幕府御用達の商人となってからはこうした動きも影を潜めた。
後に両替商も開業する。73歳で死去。

◆一人の才能が財をなし、それを相続し発展させる・三井家の例
★三井高利の運命式
タイプ20-24:様々な自然、人間の環境的影響の中で、人の和と人の輪を作るタイプ

24  7 27
10 24 14
20 17 21

<三井高利の流運>
17 18 19 22 11 12 10 13
11 14 15 16 14 17 15 16

この江戸期の文化や平和が庶民の間に定着し始めたときに、三井高利の商いの方法は抜群の才覚を持って実行されたものだ。
政権が安定する草創期では、権力と上手く付き合いその力を利用するものたちが利益を上げていくということになるのだが、平和が定着するようになれば、それはまったく違った方法をとらなくてはならなくなる。

運命式を見ると、この三井高利はとても面白い人といえる。
それは時代にマッチングした人ということである。
何故かというと、この運命式は実はとても大きな弱点を持っているのである。
心霊数が20ということである。

ところがこの弱点が利点、長所に変わってしまっているのである。

それは、多くの人がこのことで悩むことが多いのに、この時の三井高利にとってはそれがプラスに転じたということだ。

三井高利はこの民衆の気分というものを敏感にキャッチできる力を持っていたということだ。
様々な人のしがらみや環境の力に、普通はその大きな力に自分が負けてしまうのだが、三井高利は違っていたということだ。
三井家というのは運命式的に見ればとても面白いといえる。
それは代々仕事数がどんな人も成就数を持っているということなのである。
そこに仕事数のバランスが組み合わさることになるのである。

そういう運命式の中にあって、三井高利には大きな特徴がある。
それは、本性24の人を組織することが上手いということなのである。
人を使うというのはとても大変なことなのであるが、彼はそういう人の組み合わせができる人なのである。
そして人の輪をつくってしまうという人気運の持ち主でもあるわけだ。

だからこそ心霊数の20で民衆の気分を吸い上げて、それを本性24で人をまとめ上げて商売にまで引き上げてしまったといえる。

もう一つ大切なことがある。
それは、金を儲けるということでは、彼は明るさを好んだのではないかということである。
大きな包容力で人々が喜んで商品を購入してもらえるということを、収入に結びつけたということだ。
そういう運勢を持っているということだ。

そして、お金の投資も自分のためというよりは、多くの人に利益があるようなことを考えた。
そのことが結果的に自分の利益となって帰ってくるということである。
もちろん、順風ということよりは、三井高利の流運をみる限り相当苦労したであろうということは推測できる。
でも後半からはアイデアと人の輪が彼を支えて商売の発展の基礎をつくっていったものと思われる。

★この三井高利の築いたベースを発展させていくことが次の代に課せられた使命となってくる。
どんなことでもそのベース作りが重要なのである。
その時代の機運に乗るか乗らないかということこそ、それこそ運ということになる。

彼の場合は、自分の弱点を利点に変えてしまうという時との巡り合わせがあった。

面白いことにこのようにして築かれた商業の基盤は、時代を経るに従い政権も変容を遂げるようになる。
時が明治維新を迎えるようになる。
この頃になると、この時代に合わせたように三井家の当主に政商のような運命式を持った当主が誕生するのである。
三井高福がその人である。

<三井高福の運命式>
タイプ26-30:リーダー的自分を中心として、戦略的に思考して活動するタイプ

20  7 17
16 30 14
26 23 27

面白いことに、政商として江戸初期に権力と結びついて巨富を築いた淀屋の岡本箇斎を始めとした岡本家の運命式とよく似ているのだ。

★岡本箇斎
<岡本箇斎の運命式>
タイプ33-38:リーダー的自分を中心として、策戦思考するタイプ

24 13 27
19 38 19
33 25 30

この運命式は権力と結びついて戦略や謀略で事業基盤を創っていくということに適した運命式なのである。
このように、時代の変革期にはそれに適した人物が現れるようになり、それが連綿と受け継がれていくということに家訓や家憲といった伝統の凄さがある。

その三井家の家憲を示しておこう。
★家憲
高利は子孫のために家訓を残している。
一、単木は折れやすく、林木は折れ難し。汝等相協戮輯睦(きょうりくしゅうぼく)して家運の鞏固を図れ。
二、各家の営業より生ずる総収入は必ず一定の積み立て金を引去りたる後、はじめてこれを各家に分配すべし。
三、各家の内より一人の年長者を挙げ、老八分としてこれを全体の総理たらしめ、各家主はこの命にしたがうべし。
四、同族は、決して相争う事勿れ。
五、固く奢侈を禁ず。
六、名将の下に弱卒なし、賢者能者を登用するに意を用いよ。下に不平怨嗟の声なからしむる様注意すべし。
七、主は凡て一家の事、上下大小の区別無く、これに通暁する事に心掛けるべし。
八、同族の小児は一定の年限内に於いては、番頭、手代の下に労役せしめ、決して主人たるの待遇をなさしめざるべし。
九、商売は見切り時の大切なるを覚悟すべし。
十、長崎に出でて、夷国と商売取引すべし。


名前の分析と解説

ビジネス世界の
分析と解説
ビジネスの世界では、単に儲ければよいというよりは、そこに社会的な使命があったり、自分のミッションと考えている人もいるし、また企業理念に忠実であろうとする人もいます。

でも、そこには成功と失敗が常に隣り合わせであることは事実です。

その中で、どんな戦い方をしてきているのか?ビジネス戦士の生き様を捉えます。

スポーツ選手の
分析と解説
スポーツ勝負事はいつでも勝者と敗者の明暗が分かれます。
これほどはっきりとしたわかりやすい出来事はありません。

スポーツ選手を通して、どんな生き方を人としてすべきかを学べることはたくさんあります。逆境を乗り越えて栄冠を手に入れる。

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芸能人の
分析と解説
芸能人芸能人といえば、人気が全てであります。
ある意味人生も人気です。
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何故あのようなことをしたのかなど、人の創造と堕落をこれほどはっきりと見せてくれるのは、芸能界という偶像が支配するところだからであると思います。

歴史上の人物の
分析 と解説
歴史上の人物歴史的な人物は、その事跡がはっきりとしていたり、様々なことが研究されていますから、危機や事件、重大な判断をしなければならないことなど、人生の様々な教区を終えるということであれば、これほどすぐれた教科書はないと思います。

そういう意味で、歴史上の人物を研究することは、自分の人生にとって価値あることになるはずです。

影響力ある人の
分析と解説
ボランティアや社会貢献ボランティアや青年海外協力隊などNGO、NPOなど様々な公的な準公的な機関で働きたいと願っている人が多くいます。

そういう人々の公共の奉仕の精神は、災害時などで多くのボランティアの方の参加を見ていると感動することが数多くあります。

そんな中でやはり何かを成し遂げる人やリーダーシップを発揮できる人がいます。
そのような人々もやはり人生のお手本になる人だと思います。