排卵日
荻野式避妊法というのがあります。実際は荻野式懐妊法ということだったのですが、いつの間にか避妊の手段にされてしまいました。
そこで、この「荻野式」とは何かを説明してみます。
<荻野式避妊法>
荻野久作博士が考案したものです。
排卵および排卵後黄体の寿命についての荻野説に加えて、卵子の受精能力は排卵後1日以内、精子の受精能力期間は3日であることから、受胎可能の期間としての予定月経前19〜12日の8日間を禁欲することによって避妊を図る方法です。
予定月経周期は変動するので、実際上は1年間月経を正確に記録して、その最小周期と最大周期を求め、次の公式に当てはめて各自の禁欲日(受胎期)を決める必要があります。
(1)受胎期の初日=10+(最小周期−28)=最小周期−8
(2)受胎期の終日=17+(最大周期−28)=最大周期−11
この方法は薬品や器具を必要としなく、性交渉も自然のまま行われ理想的な方法ですが、実際は失敗妊娠が多いです。
また、是非知っておいてほしいことは荻野博士は避妊のためにこの方法を考案したのではないということです。
博士は子どものできない夫婦に、なんとか子どもを授けさせてやりたいと考えてこの方法を考案されたのです。
要するに赤ちゃんを妊娠したければ、排卵日を中心として、妊娠可能な期間というのがありますから、その間に夫婦関係を持つようにすればいいということになります。
でも、この辺に落とし穴があります。
排卵日のための夫婦生活というのは何か変だと思いませんかということです。私たちも晩婚のグループでしたから、早く赤ちゃんが欲しいと思い、焦りました。そこで、この排卵日を中心とした夫婦生活を試みたのです。
でも、何かが変でした。お互いの愛情を確かめ合う為の夫婦生活なのに、その愛情の結果としての赤ちゃんと思っていたのに、いつの間にかただの「肉体的な関係」に陥ってしまっていたのです。
それで、やめました。「赤ちゃんは天からの授かりもの」と思うことにしたのです。すると自然な夫婦の関係に戻ることができました。そうしているうちに2年たってやっと赤ちゃんを妊娠したのです。35才での出産でした。
赤ちゃんが欲しいという気持ちと、夫婦のあり方というのは、どちらが生活の中心かということを忘れてはいけないのです。子供のための性生活は結局は主客転倒ですから、お互いに疲れてしまってうまくはいかないのです。愛情があって結婚したのですから、「愛」が先です。その結果が結婚生活になったのですから、子供のための肉体関係という生活になってしまっていれば、それはどこかで問題が起こってしまうことになります。
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