授乳は女性から母親への変身スイッチ
赤ちゃんを初めて産んで、女性がお母さんになるということを考えてみます。そこには、母乳が大きな役割を果たしていることがわかってきました。赤ちゃんを産んだ直後の母親からは、母乳はほんの少ししかでないのです。一滴の雫くらいなのです。しかしこの時の赤ちゃんの授乳は母子にとって大きな意味を持っているのです。
出産という人生の中で女性として最大の仕事をしたあとは、まだ心も体も興奮から冷めていない状況にあります。しかしこの時に、母親の体は休む暇なく大きな変化を遂げています。
妊娠中という状況から、今度は体外での授乳という変化に対応しようと必死なのです。だから、母親の気持ちはわが子に対するあふれんばかりの母性を感じるようになっているのです。
赤ちゃんがほとんど出ない雫のようなおっぱいを吸うときに、その刺激で女性は母親へと変身を遂げるのです。
人生で最初のおっぱいが、一瞬にして母親へ変えるスイッチの役割を果たすことになっているのです。
おっぱいによる授乳の刺激は、脳内ホルモンの分泌を促し、母乳が作られるようになります。また、母乳は赤ちゃんが常在菌を母親から伝授されて、病原菌に対する抵抗力もできるようになるという大きな役割があります。また赤ちゃんが母乳こそ栄養素の原点ということをしっかりと知るチャンスにもなります。
母乳で育てたいという願望は2005年の調査では、妊娠中の女性の96%に上がっているそうです。でも現実は母乳派が徐々に減っていって、出産後6ヶ月以降はミルクというケースがほとんどということになっています。
母子密着時代というのは、赤ちゃんの人生にとても大きな影響を与えるようになります。この時期をどう過ごすかということは母親にとっても課題となるのです。
この期間は赤ちゃんにとっておっぱいが全てになるのですが、どちらにしても人生の原点はおっぱいにあるということを母親が良く知っていなければと思います。