母乳が母子を守る
母乳とミルクでは、断然に母乳の方が優れているといえます。ミルクの会社に怒られそうですが、母乳の効果は発展途上国で証明されています。
バングラディシュは1970年代から乳児死亡率が急上昇しました。その原因としては、背景にミルクの普及があげられると、ユニセフやWHOは指摘をしました。母乳をやめたことによる免疫力の低下が、赤ちゃんの感染症を増やしてしまったのです。
そこで、発展途上国の乳児死亡率を下げる為に、母乳が注目をされたのです。母乳成分の研究も進み、母乳には赤ちゃんを守るための様々な免疫物質が含まれていることがわかってきました。細菌やウィルスの繁殖を抑える力があるのです。
母親の側にも利点があります。授乳をすることで、母親のホルモン分泌がさかんになり、子宮が収縮して産後の回復が早まることがわかってきました。また母乳育児は母親の皮下脂肪を消費させ妊娠時に増えた体重を元に戻す作用があることがわかってきたのです。
母乳の問題点は、お母さんが母乳を与えた量を測定しにくく、母乳の出が少ないのではないかと不安に陥ることです。しかし、最初は母乳の出は悪いのが当たり前なのです。
それでも赤ちゃんは大丈夫なのです。胎盤から栄養をもらっていた状況から、母乳で栄養をもらわなければならなくなったときのために、そういう環境の変化に対応できるように、準備されているのです。ちょうど、体内にお弁当をもってきているようなものなのです。
そんな時は、赤ちゃんとのコミュニケーションと考えるべきです。ちょっとあやして刺激を与えてやると、また母乳に吸い付くようになります。これで赤ちゃんとお母さんの心心の結びつきがグッと強くなります。